Shiho cafe(シホカフェ)

手仕事のガラスと美味しいごはん、そして人のご縁がつながるカフェ


金沢の古き良き街並みが残る、ひがし茶屋街。観光スポットとして、多くの人が行き交う賑やかなエリアだが、そこから少し外れた路地の向こうに、こぢんまりと佇むカフェがある。地元の人でも迷うような、ちょっと分かりにくい路地だが、その分見つけた時の喜びは大きい。

有永史歩さんの営む「Shiho cafe」は、築80年以上の古民家を自分達で改装したカフェ。夫であるガラス作家・有永浩太さんの作品を展示するギャラリーでもある。2階建ての店内のあちこちには浩太さんの作品が静かに並んでいて、ランプや花瓶など、実際に使いながら展示されているものもある。カフェで使うグラスももちろん浩太さんのものだ。お茶を飲んでしばしくつろぎながら、ゆっくり器選びをすることもできる。

有永さん夫妻は、かつては浩太さんの職場があった新島で暮らしていたが、画家だった叔母が能登島に住んでいたことで、石川県とのご縁があった。叔母が亡くなって、その家を引き継ぐことになり、能登島へ移住してきた。現在は、住居である能登島と店のある金沢を行き来する生活である。

「叔母は全国を旅して回って、『ここが一番いいところ』と能登島を選び、住んでいました。私たちも訪れて、前からいいなと感じていたんです。実際に住んでみると、最初は寒さなどに慣れるのがちょっと大変でしたが。でも、石川県は工芸に関心の高い人が多く住む文化的な地域。ものづくりをする作家にとってはとても住みやすい街だと感じました。また、人とのコミュニティがしっかりできあがっていて、思いがけず様々な人と繋がることができました。この店も、そんなご縁から譲り受けた場所なんです」

夫である浩太さんの作品をきちんと展示し、実際に使ってもらえる場所がずっと欲しかった、という史歩さん。夫婦の念願が叶ったカフェである。カフェで出すメニューや販売品は多くの人のご縁からつながったもの。人気メニューのひとつである玄米キッシュは、かつて浩太さんが作品展を行った、長野県上田のパン屋「ルヴァン」に、今度は史歩さんが修行に行って学んだ。ほっくりとコクの深い味わいで、食べ応えがある。ルヴァンからは、パンも少しだが取り寄せて販売している。コーヒーは金沢にある「cowry coffee」に淹れ方を習い、豆を仕入れている。他、史歩さんおすすめの地元の調味料なども並んでいる。

「自分が本当に美味しいと感動したものを出せるようにしています。お客さんに食べてもらって褒められると嬉しいから、メニューを考えるのは楽しい」

カフェのスペースを使って、金継ぎやヨガ、料理教室なども少しずつ開催している。ご縁に助けられた史歩さんが、今度は多くのご縁をつなげる場所として、緩やかに活動を広げて行けたらと願っている。


写真:高野尚人 文:江澤香織

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Shiho cafe

石川県金沢市東山1-34-7

090-7074-8216

https://www.facebook.com/Shiho-cafe-307644602718981/

オープン日はHPをご確認ください。